出版社:ダイヤモンド社 発行日:2016/6/17 評価:★★★★ (★:いまいち、★★:普通、★★★:面白い、★★★★:他者へ強く勧める、★★★★★:バイブル級) 著者:杉野幹人 A.T. カーニーマネージャー 東京農工大学工学部特任教授 東京工業大学工学部卒。INSEAD MBA修了。早稲田大学商学研究科博士後期課程修了。博士(商学) 大学卒業後、NTTドコモに就職。シリコンバレーで仕事を共にした500人以上の起業家のプレゼンや提案資料から、箇条書き(Bullet points)で短く魅力的に伝えることのパワーとその技術を学ぶ。
前提に、以下はあくまで本書を読んだ私の私見であり、私の一方的な解釈に過ぎないことをご理解ください。まだ本書を読んでいない方に対して、何かのきっかけを与えることができればいいと思い、記載しております。
1. 読んだきっかけ・目的
トップエリートが集まる外資戦略コンサルティングファーム出身の方々の本を読むのはとても為になると思っている今日この頃。10年、20年と年月をかけて体系化されたノウハウを、1500円で閲覧できるのは素晴らしいことだと思う。そんなことを考えながら本屋を回っていた際に、本書が目に止まった。物事をコンパクトに、端的に伝えるために箇条書きを私も利用してきたつもりだが、トップエリートの箇条書きに対する考え方はどのようなものなのか、検証したく、読むこととした。
2. 本書を読んだ率直な感想
普通の箇条書きと超箇条書きの違いを具体例を述べながら解説してくれて非常にわかりやすかった。一番印象に残ったことは以下(私の理解で本書の表現とは異なる)。確かに、私も箇条書きを書く際にダメな箇条書きになっているケースが多いと反省した。
相手の情報処理の負担を減らすために利用するのが箇条書き。ただの言葉の羅列はダメな箇条書き、となる。構造化・物語化・メッセージ化を行い、本来の目的を満たす箇条書き(超箇条書き)を行うことがビジネスの場では重要となる。
トップエリートが、基礎となる相手の立場を思いやった行動を誰よりも徹底しているのであれば、それはビジネスパーソンとして差が開くのは当然だと感じた。改めて、基礎の積み重ねが重要なのだと身をもって感じることができた。
3. 読むべき年代
無論、いつ読んでもためになる本だとは思うが、私は社会人に該当する全世代の方に本書を読むことを推奨する。コミュニケーションの相互作用で成り立つ会社において、各人が各人のために、超箇条書きで情報伝達をすることができたら、生産性は見違えるほど変わるのだと思う。自分が伝えたいことをただひたすらに書くのではなく、自分の伝えたいことを、相手の情報処理負荷量を極力抑えて、伝える。この意識を全員が持ち、コミュニケーションができたら、気持ちのいい仕事ができるのではないかと思う。
4. 学んだこと
以下に私が読みながらメモした学んだ点を記載する。(が、ここは皆さん実際に本書を読んでいただき、自身の学びとして吸収してもらえたらと思う。)
相手の情報処理の負担を減らすために端的に言いたいことを伝えることはとても大事。そのために箇条書きを利用しよう。
構造化とは相手が全体像を一瞬で理解できるようにすること。レベル感を整えることが大事となる。時間軸・状態/行為・ガバニングによるサマライズ。
物語化とは相手が置かれている状況、すなわちコンテキストを考えて箇条書きを作ること。相手が期待していることは何か?をそれを一番上に持ってこよう。
メッセージ化とは自分のスタンスを明確にした上で相手に行動してほしいかを明確にすること。自分の立ち位置、行為を明確にする。ありきたりな抽象表現では、で、何?となる。
プレゼンに使うスライドなど、いきなりスライドを作り始めると、かけること・書きやすいことを重視してしまいがちになるので、しっかりと箇条書きで自分が本当に伝えたいことを整理してから、スライドを作り始める。
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